妊娠糖尿病と診断された妊婦が臨月ギリギリまでフルタイム勤務しつつ無事出産したけど質問ある?
...大変大変ご無沙汰してるうちに、はてダは広告入るようになったんですね母さん...
ひっそり借りてるサーバにcmsを構築しようかとか、もちょっと手軽にbloggerでいこうかなど試行錯誤しましたが、とりあえずこちらに。
2012年に5月に長男を出産しました。弟もいたので赤子の世話をするのは全くの初めてではないのですが、それでも予想もつかないことがいっぱいの毎日で、驚きつつも楽しい日々を送っております。
今のところだけかもしれませんが(何せダンスィですし)、実は妊娠期間中の方がはるかにハードな日々でした。うっかりタイトルから1年過ぎてしまったので、ここでまとめておきたいと思います。
1. 妊娠糖尿病と診断されるまでの経緯
最初は自宅からほど近い産科(以下:A産科)で診察を受けたのですが、気づかぬうちにやや大きめの子宮筋腫ができていたことを理由に、総合病院での出産を勧められました。
自宅周辺ではこちらか、あるいはもう一軒の産科で出産する人が多く、改装されたばかりの整った設備、プレママ友とかもできればいいなと思ってましたが...
はい消えた!お祝い膳とかマタニティビクスとかアロママッサージとかぜんぶ消えたよ!
ともかく、勤務先から歩いていける某総合病院(以下:B病院)へ紹介状を書いていただき転院。最初の診察で血糖値がやや高めと言われ、再検査(75gOGTT)で「妊娠糖尿病」とのお墨付きをいただいてしまいました...。
前述のとおり、A産科は自宅から近く土日も開いており、妊娠後期から転院するという選択肢もあったのですが(B病院は平日のみだったので、ざくざく有給が減っていきました...)、早めに転院したことで発見も早かったのでは、またA産科で診察を受け続けていたら別の内科にお世話になっていただろうし、カルテが統一されていたB病院へ早めに転院して良かったのではと、今となってはと思っています。
2.「妊娠糖尿病」とは?
妊娠中、胎盤からインスリンの働きが悪くなるホルモンが分泌されるのですが、これに対し、正常な妊婦さんはすい臓からインスリンをたくさん出し、自前で血糖値をコントロールできます。ですが、糖代謝異常といった遺伝的要因などにより、インスリンをたくさん出せない妊婦さんは、血糖が高いままとなります。
高血糖だと何が良くないか。母体側は流・早産、羊水過多症や妊娠高血圧症候群などの合併症が起こりやすく、また子宮内胎児死亡や巨大児になって難産になりやすいそうです。
2010年に診断基準が厳しくなり(旧基準だと私は引っかかってなかった...)、またリスク要因のひとつである高齢出産が増加していることから、今後はますます増えていくのではないかということです。
私の場合、母・祖母・伯父と母方家系で糖代謝異常が多く、さらに高齢出産、そして週数が浅い妊婦としては太りすぎていたことが原因だったと考えています。
その他、詳しくはこことかここやここを見てください。
3. そして入院
妊娠糖尿病と診断されたあと、まずは血糖測定器を病院から借りて毎日計測しましたが思うようにコントロールできず、2回目の診察で先生から
「で、いつから入院できます?できれば早いうちに」
私「いやいやいやちょっと待ってください繁忙期ですしおすし」
ともかく、高額療養費申請や医療保険の確認、業務引継ぎまで済ませて、2週間の入院がスタートしました。
当時は朝8時前に家を出て、帰宅は遅くなると20時過ぎという日々。ほぼつわりは終わっていたものの、胃痛や鼻づまり、不眠など「聞いてないわ!」と言いたくなるほどマイナートラブルを抱えてのフルタイム勤務はなかなかしんどいものでした。
なので「神様が少し休めと言っているのだ」と言い聞かせて入院生活に入りましたが、
- 隔日で何らかの検査が入る(尿検査とか血液検査とか心電図とか超音波とか)
- 夕食後以外の毎日、食後1時間後にラジオ体操からのウォーキング30分
- 検査がなければ座学や栄養指導、ストレッチ指導で呼び出し
とまあ、かなりせわしなかったです。
ちなみに食事ですが、病院食としてはかなりおいしかったです。毎日完食してましたw
参考までに、ある1日のメニューをご紹介します。
朝(8時。394kcal/タンパク質14.9g/塩分1.7g)
- ごはん80g
- 里芋とえのきの味噌汁
- 炒り卵
- 白菜と水菜のおひたし
- 牛乳200cc
補食1回目(10時。手元に資料なし、134kcal程度?)
- ロールパン1個(40g程度)
昼(12時。350kcal/18.3g/2.2g)
- ごはん80g
- 白身魚の酒蒸し・生麩と絹さやの付け合せ
- ゆでナスの韓国風おひたし
- 果物(リンゴ・オレンジ2〜3切れだったりぶどう6〜7粒だったり)
補食2回目(14時)
- ロールパン1個(10時と同じ)
夜(18時。532kcal/30.3g/1.7g)
- ごはん80g
- 焼き豆腐の味噌そぼろかけ
- ほうれん草のソテー
- ごぼうサラダ
- 果物
補食3回目(20時。134kcal/7g/0.21g)
- 牛乳200cc
※写真も毎食iPhoneで撮影していましたが、産後間もなく水没させて一切のデータを飛ばしてしまいました...とりあえず毎食ごとにもらっていたメニュー表などを。
4. 食事と運動、血糖測定とインスリン注射
順番が前後しましたが、血糖をコントロールするために必要なのが
「食事」「運動」「血糖測定」それでもうまくいかない時に「インスリン自己注射」となります。
食事
入院して一番の収穫が、病院食をヒントにして「何をどれだけ食べればいいか」の目安がついたことかもしれません。
上を見てお気づきかもしれませんが、病院食は1日の総カロリー量は1600kcal、食塩相当量は6gを目安としています。
私は妊娠28週(8ヶ月)までこのカロリー量を守るように言われました。と、書くとどれだけ太ってたか晒すようで恥ずかしいですが...orz
また、ただカロリーを順守するだけではなく、血糖を上げる元凶(?)の炭水化物も、胎児の成長に必要なのである程度の量はとらないといけません。
しかし、1日に必要な量の炭水化物を3度の食事に分けて取ると、それはそれで血糖値が上がりすぎてしまう。ということで、炭水化物は3回でなく5回に分けて食べます。
こんなことに気をつけて食べてました
- 炭水化物は主に主食(ごはん・パン・パスタ)で取り、いも・かぼちゃは以前より少なめに取る
- 白米よりも玄米や胚芽米、うどん・そうめんよりもそばを食べる(しかし病院食は白米だった...)
- 食べる順序は野菜(副菜)→魚or肉(主菜)→ご飯
- 後述するアプリで食べたものを記録
- 一口ごとに30回噛む
調理で気をつけたことは以下のとおりです
- 食品単位表を見ながら、調味料にいたるまで材料をスケールで計る
- 味噌を使う料理は3食のうち1食にとどめる(これは栄養士さんからの助言で)
- 減塩しょうゆや味噌、ゼロカロリー甘味料に切り替えた
- かつお節といりこをフードプロセッサーで粉状に挽いたものをだしとして使用(パックとかに包まずそのまま投入)
- 薄味の分、旨み(上記のだし粉や干ししいたけ)や酸味(レモン汁・酢)を活用。とくにバルサミコ酢にはお世話になりました
ある日の夕食。イカとセロリを多分ナンプラーで炒めたもの、大根と白菜の煮物、にんじんのサラダかな?イカはローカロリー高タンパクなのでよく食べてました。
こんな感じなので、自然と外食が減り、お誘いもご遠慮することが増えました(ほんとにすみません)。ただ、あまりにガチガチだとそれはそれでストレスがたまるので、たまに豪勢ランチしたり、おいしいチョコを1日一粒だけ食べたりと息抜きはしていました。
運動
病院から勧められたのは「食後1時間後にウォーキング30分」でしたが、私の場合なかなか時間を確保することが難しかったです。そこで、
- 昼食(時間があれば10分程度ウォーキング)
- 2時間後に補食(牛乳)
- 退勤前に補食(パンなど)
- 退勤、買い物を兼ね長めにウォーキング(30分くらい?)
- 帰宅&家事
- 21時頃夕食
- 23時頃就寝
というスケジュールに組み替えました。
日中の運動については、朝礼時のラジオ体操や勤務中の移動(デスクワーク中心ですが、取材や打ち合わせなどで外に出ることも多かったので)とかでどうにか振り替えができた感じです。
血糖測定
食事と運動でコントロールした血糖がどう変化しているか、測定器で確認することも必要です。
基本、起きてすぐと(体重測定もセットで)、3食食べて2時間後の4回測っていました。また、ターゲスと言って3食の前・食後2時間の6回計測も週1回行いました。
病院での貸し出しは「アキュチェックアビバ」と「アキュチェックコンパクトプラス」が選べましたが、「ネットで評判良かったのでアビバで」と看護師さんに言って苦笑されたアカウントがこちら(ry
このページでも紹介されている通り、指先や耳たぶで測ることが多いのですが、私は看護師さんの勧めで、小指側の手のひらの端(手相で言うと月丘のあたり?)に針を刺していました。指先よりも痛みが少なく、一定量の血液が取れたからです。
仕事中に針を刺してるところを同僚に見られて引かれたこともありましたがw、痛みについては次に書くインスリン注射より全然楽勝でした。
5. 出産とその後の経過
初めの方に少し触れていた子宮筋腫ですが、結構大きかったものの産道を妨げない部分にあったので、結局あまり問題にはなりませんでした。
退院後も、上記の治療を続けながら産前6週まで何とか勤め上げ、予定よりも1週間ほど早かったものの3020gで無事出産することができました。子どもは少し黄疸が出ていたものの、懸念していた低血糖などの症状もなく、毎日元気に成長しています。
誕生してすぐのワンショット。最初に驚いたことが「生まれた時点で爪は結構伸びている」でしたw
私も、あれだけ悩まされていた血糖コントロールから開放され、産後2ヶ月の糖負荷検査や産後4ヶ月に受けた人間ドックでも正常値で、来年3月にもう一度診察を受ける予定です。
しかし、妊娠糖尿病の怖いところは、2型糖尿病への移行率が非常に高いこと。卒乳後も授乳中と同じ感覚で食べ飲みして発病することが多いと聞きますので、食物レコーディングを再開しようと思います。
6. 参考にしたもの-書籍・アプリ・Webサイトなど
細かな制限がいっぱいの妊婦生活でしたが、本やアプリ、インターネットなどの情報も支えになりました。
書籍
- 作者: 日本糖尿病学会
- 出版社/メーカー: 文光堂
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- 作者: タニタ
- 出版社/メーカー: 大和書房
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- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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アプリ
今回一番お世話になったのがこのアプリ。食べたものを記録することで、カロリーだけでなくビタミンやミネラル、塩分相当量までチェックすることができます。妊娠中の栄養基準や、私のようにカロリー・塩分に制限がある場合もテンプレ修正できるのが便利。メニュー項目にない料理を食べた時は、入力がちょっと手間ですが...最新版はDropBoxと連携してデータをバックアップすることもできます。
その他、詳細はこのページで(バージョンアップしてUIが変わっていますが)
Webサイト
低インシュリンダイエット GI値表
上でも少し書きましたが、同じ穀物でも食べるなら血糖値上昇が少しでも抑えられるものがいいよね、ということでこのような表を参考にしていました。他にも「低GI献立表」なども参考にしました。
宋美玄のママライフ実況中継
産婦人科医で「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」の著者。その表紙のイメージで誤解していたのですが、ちょうど入院中に妊娠糖尿病の闘病記を読み、さっぱりした語り口にとても助けられました。
こちらのブログと合わせて、twitterでも積極的に出産や育児の情報発信をなさっています。
7. おわりに
まずは、年末近い慌ただしい時期に半月近く入院しても、やたら食事が薄味になっても文句どころか励ましてくれた夫に心からお礼を。いつもありがとう。
また、妊娠糖尿病と診断され、初めの頃は少なからず落ち込んだのですが、「赤ちゃんは将来かかる病気を先取りして教えてくれている」という一文(出典を忘れましたが)を見かけて、救われた憶えがあります。もし、私と同じような立場の方がいらっしゃれば、以上のことが少しでも参考になればいいなと思いつつ、この長いエントリを締めたいと思います。